ようこそ女将猫……しかし、猫はもてなすつもりはないのであろうという話
杏月です。
まあ、松本ワールド、もしくは松本神話界ということで(笑)
雪野弥生さん=プロメシュームという設定は私の耳には届いているのですが心には届いていません。
ああ、信じないさ。優しい千年女王の弥生さんがあのおっとろしい女王になってしまうなんて。
若島津がFWに転向した件と一緒ですね。(←違う)こちらも私の心には1キャプツバ(←謎の単位)も届いていませんとも。
彼は永遠に東邦のゴールを守り、千年キーパーと呼ばれているはずです。うん、それはどうかな。
ところで松本先生の作品に「トラジマのミーめ」というものがあります。実在した愛猫ミーくんをモデルにした作品です。漫画家さんというのはなんとなくですが猫派が多い気がしますね。
私は家では猫を飼ったことがありません。以前「貰い手がみつかるまで……」と渡月さんが職場で子猫を飼っていた時期が唯一私が猫と近しく接していた時期です。
その猫ちゃんはまあ美猫で目を楽しませてくれたのですが、同時に私に猫という動物の不思議さを教えてくれた子でもありました。
最も不思議だったのは、しょっちゅう職場の私の椅子の上に座っていたことです。
仕事仕事、と思い椅子を引けばそこには猫の香箱。
「……なんでいる」
思わずつぶやくも猫の方こそ
『なんか用?』
という目でこちらを見てきたので困惑した記憶があります。
今から仕事なのでどいておくんなまし、と抱えおろしても、なにをするのだとばかりに足を伝って登ってきました。
当たり前ですが爪を立てられると痛い。しかし、猫は私の悲鳴など気にもかけず椅子に座る私の膝上によいしょという感じで乗り上げまた丸くなりました。
「なんですか、懐いてくれているのですか」
と撫でようとすれば
「あ?触らないでくれる?」
という感じに前足で、ぺし、とされました。
……猫は人ではなく家につく、とはよく聞く話ですが、あの場合猫は私ではなくあの椅子についていたということなのでしょうかね。
さて、今回紹介させていただくこの本に載っているのは皆、旅館で飼われて愛されている猫達です。『女将猫』とありますが、彼らは特に客をもてなしたりはしません。
ただ、そこに存在することで旅館の魅力を上げているわけです。
ペットというものは得てしてそういうものかもしれませんが、猫程気ままに生きるその様子だけで人間に愛される動物はいないかもしれません。
この本の自然体で味のある表情をうまく切り取った猫達の写真を見ているとそう思えてきます。